『黒いぬ3連星』と、 散歩中に出会った虫たち
by inukuro3

追悼・石井桃子さん

児童文学者で、翻訳者で、
編集者としても多くの仕事を残した
石井桃子さんが、亡くなられた。



大学卒業後、文藝春秋社に入社して以来
編集畑を歩まれ、井伏鱒二を口説いて
ドリトル先生を翻訳させ、その後
岩波少年文庫の創刊に携わり、自ら多くの
名作の翻訳をなさった。

岩波少年の他にも、ピーター・ラビットや
ブルーナの「うさこちゃん(「ミッフィー」では
ないのよ〜!)」等、多くの翻訳をなさっている。

荻窪の御自宅を一部開放して、こどもたちのために
『かつら文庫』を開設。その50周年記念の模様を
つい先月、TVで放映しているのを見て、
『あぁ。。。ご存命だったんだ!』と知ったのでした。
それからわずか、1月足らずなのに。

90を過ぎても、口述筆記で
活動されていたそうだ。

間違いなく、『名翻訳者』のひとりだろう。
瀬田貞二さん、矢川澄子さん、山室静さん等とともに
「もう、この人以外の翻訳は有り得ん!」と思う。

すぐれた翻訳者は、すぐれた文学者でなければならない。
ただ「翻訳できる」とか「通訳できる」だけでは、
どんな名作でも、ただの駄文に成り下がる。
かの「ハ◯ー・◯◯◯◯」シリーズのように
興醒めなものになってしまう。(あぁ、書いちゃった〜)

「くまのプーさん」の、あのプーの作る歌や、
間違いだらけのフクロやコブタの文章など、
もう、『スゴイ!』としか言いようがない。
「これも なるす」とか「トオリヌケ キ」とか
「モモンガーとミミンガー」とか
「ばっかなクマのやつ!」とか。もろもろ。

原作の持つ、独特の言い回しや、リズム感などを
損なうことなく、生き生きとした日本語にするには、
豊かな感性と創造力、豊富な語彙、そしてセンスが必要。
石井さん著「ノンちゃん雲に乗る」は、映画化もされた。

今週は、「ナルニア国ものがたり」シリーズ祭りな
ワタシなんですが、これを読み終わったら、
久しぶりに「くまのプーさん」や、
「マーティン・ピピン」を開いてみよう。
(それが終わったら、北森鴻だ!)

ご冥福をお祈りします。
たくさんのお仕事を、ありがとうございました。
by inukuro3 | 2008-04-03 14:50 | 本・映画・音楽・CM 等 | Comments(4)
Commented by at 2008-04-03 17:56 x
石井桃子さん、私も新聞で見ていろんな意味でびっくりしました。ご冥福をお祈り致します。

ところで、翻訳の上手下手はもとより、自分に合う合わないもありますよね!田村隆一は合うけど柳瀬尚紀は合わないとか(w)悪い訳では無いのかもしれないんですが、やっぱり私には合わない・・・ジーン・ワイルダーは合うけどジョニー・デップは合わないとか(w)
Commented by inukuro3 at 2008-04-03 23:25
坊さん、こんばんは〜。
やれ嬉しや♪レスがつくとは思わなかったので。(笑

> いろんな意味でびっくり
年齢とか? w
明治生まれの方って、いつの間にか
希少になって(動物扱いみたいで失礼ですが)
しまいましたよねぇ。。。

う〜ん。チョコレート工場は、
わたし、柳瀬尚紀訳、けっこう好きですよ。買っちゃったし。(^。^)
ままま、そ−ゆーコトですよね。 > 合う合わない

田村隆一さんといえば、「夜明けのヴァンパイア」の
カバー絵を、ともだちがやりました。
けど、あっという間に映画化されて、カバーも
ブラピになってしまいました。(^_^;);;;

デップのワンカさんは、「ダールのワンカさん」でなくて
「ティム・バートンのワンカさん」ですもんね〜。w
Commented by at 2008-04-04 05:12 x
>柳瀬尚紀訳、けっこう好きですよ。
柳瀬尚紀自体は好きなんですよ。フィネガンズ・ウエイクとか、やっぱり彼以外には翻訳できないだろうと思いますし。でもダールは田村隆一でなじんでしまったので(w)
Commented by mica at 2008-04-04 16:04 x
そそそ。(^ - ^) > ダールは田村隆一でなじんでしまったので
柳瀬氏なり、田村氏なり、お上手ですから
その人の「味」が出ますからね。言い回しというか。

◯リー・◯◯◯◯のシリーズみたいに、平たく「ただ訳してる」
ってのは、読んでるとハラ立って来ませんか。
平べったい文章だな〜って思っても、ものすごく語彙に
気を遣ってたりすると、まだいいんですけどね。
(例えば、クライヴバーカーの「アバラット」なんか)

↑のシリーズ訳者の大学の後輩に当たる友人(やはり通訳を
やっていた)も、怒ってました。「台無しじゃん!」って。
この人ならではの言い回しとか、文体とかリズム感とか
まったく無視してるから。

そういうのを考えると、やっぱり石井桃子さんは
素晴らしいと思うのですよ〜。
もし、↑くだんの訳者にブラッドベリなんか
翻訳させたら、すんごいことになること必至。と、思います。
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