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『黒いぬ3連星』と、フラワーエッセンス&AC

百人浜

襟裳岬に行く手前に『百人浜』が、ある。

「百人浜」といえば、佐々木丸美『崖の館』だ。
若い人は知らないだろう。
わたしがこのシリーズを読んでたのは、
もう四半世紀も前だ。

2005年に著者が56才で急逝した後、
復刊ドットコムで声が上がったらしく、
2006年にシリーズ復刊。
新しい装丁も、画は味戸ケイ子さん。

読んでいた当時、仲間内で流行ったのだが(笑
友人の一人は『佐々木丸美の文学性は認めない』
と、言い切った。
後年、シリーズ1冊目の『雪の断章』が
斉藤由貴主演、相米慎二監督で
映画化された(観なかったケド)。

ちょっと検索したら、語っている人は多かったw
復刊を果たしたくらいだから。
皆、学生時代とかに読んだのね。

今、読み返したら、どうだろう。
ハナにつくだろうか。
それともあの頃のように、するする読めるだろうか。

薄幸の少女が、オトナな男性に出会い、
やがて「オンナ」になって行く。
その過程(や、結果)で、純粋さゆえに
どんよりする結果も生まれたり、
『いいのかっ !? ホントにそんなんで?』みたいな
割と都合のいい展開や、あっさりストレートな
人物相関図の「孤児」シリーズと、
ミステリと犯罪哲学の「館」シリーズ。

すべての作品が、どこかしらで
登場人物で繋がっている。
それも魅力なのだと思う。

今、読んだら、その犯罪哲学(犯人の)は
たぶん京極夏彦のそれの方が、しっくり来るように思う。
そういえば、『絡新婦の理』を読んだ時、
佐々木丸美を思い出した。
が、映像的にも圧倒的に、今のわたしは京極派。

佐々木丸美の犯罪者たちは、それが正当化されるが
京極夏彦の場合、彼らには必ず代償が待っている。
女性が書いたそれと、男性のものでは
そりゃもちろん違うはあると思うが。
キチンと比較するには、、、
うーーーん。。。再読するかぁ〜?

つらつら書いてしまったが、
なんやかんや言って「好きだったもの」だから
やはり大切なものなのだ。

だから、思いがけず『百人浜』を見ながら
走っていることに気付き、驚き、
感動したのだったよ。

21世紀になった今でも、
こんなところで難破したくない。。。
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襟裳岬にあるのは『風の館』
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この建物を海側から見たところが、
まさに『崖の館』にピッタリのイメージなのだった。
by inukuro3 | 2011-06-04 18:48 | 本・映画・音楽・CM 等

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